相談支援員必携事例でみる生活困窮者

寄り添いホットラインを開設している社会的包摂サポートセンターからの本です。帯にありますように「表面にある困りごと」「背景にある社会の課題」「排除を強化する価値観」の3つの視点で事例をみています。まえがきに「当事者からの視点でこの社会がどうなっているのか？」を解き明かしていくことが「支援」の核心となっていくとして、本書は編まれています。第1章は15の事例第2章はまとめの構成です。このまとめの部分は通常でしたら冒頭に表されても良い内容ですが、本書の構成上こうしたのでしょう。まとめのP221「これまで公的支援が想定していた保障範囲と実際に生活者が抱えるニーズのギャップを総合的に捉える必要があります。今の社会は『私的領域に公的支援が必要となった』と言えるのです。」には深くうなづきました。コミュニティの変容に加え、日本の社会保障制度は会社（正社員雇用）に負うところが多く、国際競争に打ち勝つため会社が体力保存のために削って・・の現在なのかなと感じています。非常に丁寧に時間をかけた執筆がされた一冊と感じています。有難うございました。