日本写真史 1945-2017 ヨーロッパからみた「日本の写真」の多様性
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によって レーナ・フリッチュ
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内容紹介 イギリスで生まれた日本写真史、入門書。 戦後から現代まで、写真家約70名の作品200余点収録! ! 近年、海外で注目が高まる「日本の写真」。世界から日本写真史を概観する書籍が求められるなか、 日本に造詣が深いイギリス在住のキュレイターによる画期的な一冊が誕生した。 著者自ら、日本を代表する25名の写真家にインタビューを敢行。 作家たちの生の声を追いながら、「リアリズム」「ガーリーフォト」など、 社会的変遷を背景に発展した日本の写真史を紐解いていく。 イギリスのキュレイターによる新鮮な切り口の日本写真史! 写真家たちの作品世界を、グローバルな視点で解き明かしている。 飯沢耕太郎(写真評論家/本書監修者) インタビュー収録作家 荒木経惟・安齋重男・石内都・伊島薫・大森克己・川内倫子・川田喜久治・北井一夫・澤田知子・志賀理江子・ 柴田敏雄・須田一政・鷹野隆大・土田ヒロミ・Tokyo Rumando・長島有里枝・蜷川実花・野村佐紀子・ 畠山直哉・HIROMIX・細江英公・森村泰昌・森山大道・吉行耕平・米田知子 内容(「BOOK」データベースより) 本書は、イギリス在住のキュレイターであるレーナ・フリッチュが、「西洋」の視点と日本文化への深い造詣を総動員した日本写真史の概説書である。豊富な写真と丁寧な解説で写真の歴史を辿り、入門書でありながら有用な解説書ともなっている。森山大道、荒木経惟、川内倫子など、日本写真史のなかで重要な位置を占める写真家へのインタビューも収録した。国際共同出版として、写真評論家・飯沢耕太郎氏の翻訳監修により日本語版を刊行する。 商品の説明をすべて表示する
日本写真史 1945-2017 ヨーロッパからみた「日本の写真」の多様性を読んだ後、読者のコメントの下に見つけるでしょう。 参考までにご検討ください。
大判で上質紙、300ページ近いボリュームと、書名に相応しい内容でした。ヨーロッパからみた「日本の写真」の多様性、という副題が付けられていますが、日本人が選んでも妥当と思われる正統派の選定でした。逆に意外性が少ないラインナップだったと言えるかもしれません。報道写真家の草分けであり、グラフィック・デザイナーの才能をもった名取洋之助の1932年のシリーズ「日本の宿屋」が最初に目に飛び込んできました。戦前の作品です。土門拳や木村伊兵衛を語る上でも名取洋之助の功績は外せません。田沼武能の「屋上の踊り子(1949年)」も印象に残る名作です。田沼武能は木村伊兵衛のお弟子で、この見事なルポルタージュ・フォトは、社会史や風俗史の観点から見ても貴重な写真だと思っています。木村伊兵衛の作品も凡庸な風景写真やありきたりの肖像写真では全くありません。計算して撮っているのでしょうが、何気ないスナップ写真にしか見せないところに技が潜んでいるのかもしれません。木村伊兵衛写真賞という写真界を代表するような栄誉の元になった方ですから、当然その作品もまた格別の魅力と凄みを放っていました。同様に33p以下の土門拳の作品群は、観ただけで、撮影者が分かる特徴を持っています。人物を撮っても、仏像を撮らせても土門拳の凄みは変わりません。見たことのないようなアングルやクローズアップのアプローチによって見慣れたはずのものが新鮮に映り、対象物の真の美と醜を浮き彫りにするような作品が掲載してありました。代表作ともいえる「シリーズ筑豊のこどもたち(35p)」もそうですが、知られざる激動の昭和の語り部のような風合いすら伝わってきました。それでいて、子供たちへの視線の温かさが伝わってくるから多くのファンがいるのでしょう。土門拳賞の権威を考えますと、報道写真と芸術写真の双方から賞賛されるべき質の高さを感じます。圧倒されるような、土門拳の思いが伝わる写真を選んでいました。戦後の日本を写し出した人物や風景写真を眺めていますと、現代と全く景観が変化したところもありますし、変わっていないところもあります。人の姿も大きく変貌したようにも見えますし、現代とあまり変わっていないとも言えるかもしれません。第2章の「映像派」の作品群もモデルの姿や背景から時代を感じさせますが、斬新なアプローチは価値を失っていません。それは続く「新しい自由な写真表現」も同様で、様々な写真技法はこの時代に出尽くしたのではないのか、と思わせる凄みのある作品群でした。荒木経惟の作品も掲載してあり、インタビューが2ページの分量(97~98p)で紹介してありました。このインタビューは25人の写真家から集めています。それも本書の価値を高めている要素でしょう。168ページには森村泰昌(206~210ページにも素晴らしい作品を披露)や、やなぎみわの代表作が掲載してありました。2人とも素晴らしい芸術作品を生みだしていますので、詳しい記載があっても良かったのではと思いました。「写真」という手法を使った芸術の幅の広げ方には斬新さが詰まっているわけですので。234pには、やなぎみわの代表作の一つの「案内嬢の部屋」、235pには「フェアリーテイル」が掲載してありました。CGや特殊メイクを用いた写真作品群は大好きです。「エレベーター・ガール」、「マイ・グランドマザーズ」、「無垢な老女と無慈悲な少女の信じられない物語」といった一連の作品群は、日本でも世界でも構想されなかったような奇抜さと卓越性を持っていると評価しています。なお、篠山紀信、長友啓典、三好和義、長倉洋海、今森光彦の作品は未掲載で、その辺が日本人の感覚は違うのかもしれません。個人的な好みとは違うということなのでしょう。索引があるので、検索が楽だったのも有りがたい配慮でした。
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